プラスチックのリング | 12 years ago |
このリングを初めて作ってからもうかれこれ10年くらい経とうとしています。
最初の頃は石留めもできなかったし、他の技術も今と比べればまあ大したこと無かったんです。
(とは言え今がそこまですごいわけではないのですが。。)
そんな手持ちの武器が少ない中でもなにか色が欲しい、まわりでやってないことをしたいという思いだけは強く、
そんな時に見つけたのがプラスチックやアクリルでした。
このリングは内側がシルバーのリングで外にプラスチックをはめ込んでいます。
念のために接着剤で補強はしていますが、基本は隙間なくはめ込むことで
抜けないようになっています。
この隙間なくというのが意外に難しい。と言うのもプラスチックがサクサク削れすぎて
どうしても隙間があいちゃうんですね。
そうすると接着剤に汚れが付いてリングとプラスチックの隙間に黒い汚れが出てしまう。
それでは商品としては当然だめなんです。
いろいろ試行錯誤を繰り返し、ある日閃いたんです。
あれをこう使ってああなったところをそうすれば…(肝心なところはちょっと内緒です)
閃きはズバリ的中。
ぴったりと合わせることができるようになりました。
そこで得た技術は今でも他のリングで生かされたりしています。
そしてさらにプラスチックの大変なところはすべて手磨きなんです。
機械で磨くと最悪溶けたり、黒い筋が入ったりするんです。
紙ヤスリを少しづつ細かい番手に変えてひたすら磨いていく。
そうするとある瞬間から艶が出だすんです。
この時が何とも言えない達成感があるんですよ。
急いで手を抜いたりささっとやってしまうと結局今一つの出来になります。
急いでる時こそきっちりとやる。結果それが最短の道になる。
そういうことを教えてくれたリングです。
やり始めたころはこの辺のプラスチックやアクリルのリングは結構売れてくれたんです。
月日が経って少しずつ作る物の種類や置くお店のタイプが変わってきて
最近はあまり出なかったのですが、何かここ数か月でまたポンポンと立て続けに制作依頼が。。
結構久しぶりに作ったので、きっちりできるかなという思いの中作り出したのですが、
一度見についたことは多少の時間が経っても大丈夫なんですね。
同じ色でも組み合わせるもう一つの色によって明るく見えたり暗く見えたり。
そういうところも好きなんです。
たぶんプラスチックの新作はしばらくは作らないと思いますが、
今まで作ったものを無くすこともないと思います。
僕にとっては結構大事なリングです。
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