ベークライトのリングのサイズ直し | 12 years ago |
ベークライトのリングのサイズ直しです。
さてベークライトとは何か。
初めて聞いたという方も多いと思います。
ベークライトというのは、1900年頃ベルギーの化学者レオ・ベークランドによって開発された
世界初の人工プラスチックで熱に強く成形しやすい為、
初めはラジオや電気スタンドなどの電化製品に使われていました。
1930年代にはさまざまな発色が可能になり、ジュエリーの材料としても使われるようになりました。
第二次世界大戦後はよりよいプラスチックの開発が進み、
一部の工業用を除いては生産されなくなりました。
と、まあ簡単にまとめるとこんな感じです。
(decoupageのサイトのdata roomに詳しく載ってます。興味ある方はぜひ読んでみて下さい。
そしてこのリング。いい色ですね。
実物はもう少し深い緑で縁が少し茶色がかっています。
今8号なのですが、これを9.5号にするというのが今回の仕事です。
リングの厚みに余裕があったので内側を削ることにしました。
ヤスリで削るのですがまあサクサクと削れます。
こんな時は削りすぎに注意なんですね。
その後に紙ヤスリで磨いていくので、9.2号くらいまででヤスリはやめておきます。
そこから紙やすりで少しずつ磨いていきます。
作業自体は特に難しくはないのですが、さっきも言ったとおり削りすぎと
あと力入れすぎると割れることがあるんですね。
特にリング。
割れたら修復はできません。古いものなので同じ物もありません。
まあ緊張するわけです。
慎重に慎重に。。
そして無事サイズ直し終了です。
わかりますか?上の画像から下の画像へ1.5号大きくなりました。
長い線が10号です。
リングの内側が鮮やかな緑ですね。
これはベークライトの特徴の一つ。時間がたつと酸化して変色するんです!
全ての色が変色するわけではないのですが、青や黄、緑は変色しやすいのではないかと。
深みがまして色が落ち着いてくるんですね。
今の鮮やかな緑も時間が経てば少しづつ深い緑に変わっていくことでしょう。
「元は何色だったのかな?」「これはどんな風に変わっていくのかな?」と
まるで自分が育てているような気分を味わえる。
そんな所もベークライトが人々を惹きつける魅力の一つなのではないでしょうか。
decoupageには様々なベークライトジュエリーがあるので、一度実物を見てもらいたい。
ベークライトの加工はたまにやるのですが、削ると中から全く違う色が出てくるんです。
それにはいつもほんとに驚かされるのと同時に、これはどんな色が出てくるんだとろうとすごく楽しみながら加工しています。
そして自分が作ったものも数年経つと結構色が変わっていたりして、
ちょっとしみじみしてみたり。
ベークライト。やはり魅力あふれる素材です。
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